〓ナカヤマコラム〓

 
僕の部屋には安田美沙子のポスターが貼ってあります。
No.369 [ 2008/12/13 (sat) 23:21:32 ]
 
中山野球史「高校編0」
 
最後の試合の「ドラマティック・ナイン」はもちろん録画した。自分が上げた2打点はチームの全得点だったため、試合の場面では画面に大映りしていた。
 
しかし残念ながら、自分は主役にはなれなかった。
 
試合後インタビューではエースがインタビューされた。
 
このエースのお兄さんもかつて生駒高校のエースとして活躍していた人で「兄と同じ1番をつけてマウンドに立てて、本当に嬉しかったです」みたいなお涙頂戴コメントを言っていた。
 
一躍主役に躍り出たエースは夏の大会前に告白してフラれた娘に逆に告白されて付き合うという離れ業を成し遂げた。
 
ついでに言うと、自分が狙っていた吹奏楽部の女の子はショートのヤツに持って行かれた。「ドラマティック・ナイン」エンディングの映像で彼のカッコいいファインプレーが映っていた。
 
試合で活躍したハズの自分は「そ〜いえば映ってたなぁ」ぐらいの評価しか得ることが出来ず、完全に引き立て役に回っていた。
 
あの夏の日以来久しぶりに、声を上げて泣きたい気分だ。
 
高校野球引退から高校卒業までは昼休みのキャッチボール、体育の授業のソフトボールで体を動かしていた。この頃、肩の痛みを感じるようになる。
 
近鉄の優勝に涙してからあっと言う間に受験を迎え、何とか現役で大学に合格した。野球サークルに入ろうか、熱心に勧誘してくるアメフト部に入ろうか…と悩むことなく、ライパチの転校生との約束を守る日が来た。
 
ついにスクレイパーズが生まれることとなる。
 
つづく
 

 
 

 
別れた夫の叫び・「千秋、愛してるぞ!!」
No.368 [ 2008/12/13 (sat) 22:37:53 ]
 
中山野球史「高校編4」
 
第二打席。再びランナー3塁のチャンスの場面で回ってきた。インコースに入ってくるカーブを振ると打球は3塁線へ。ファールかと思ったが三塁手がフェアゾーンで打球を弾いたため3塁強襲ヒットとなり、3塁ランナーがホームインして2打点目をあげた。
 
その後は見せ場もなく9回ワンアウトで打席が回ってきた。
 
負けている場面での打席。高校野球生活最後の打席になるかもしれない。とにかく、思いっきり振ってやろうと思って打席に立った。
 
インコースに入ってくるカーブ。第二打席の時と同じ球だった。渾身の力を込めて打った打球は…力なく内野に上がった。
 
「アカンか…」と思ってとにかく1塁へ全力疾走したので、ピッチャーフライだったのかサードフライだったのかショートフライだったのか。最後の打席の結果は未だにわからない。
 
最後はエースがファーストファウルフライに倒れてゲームセット。高校野球生活が終わった。
 
試合後、三年生はみんな号泣。二年生も泣いていた。しかし、自分は泣かなかった。何とか三年間をやり遂げた達成感があった。
 
試合に敗れた当日の夜は、先輩が食事会を開いて労をねぎらってくれるという伝統行事があるため、身支度をしに家へ帰った。
 
自分の部屋に入り、ふと今までの野球部での出来事が頭をよぎった瞬間、涙が出た。そして、止まらなくなった。何年かぶりに声を上げて泣いた。悔しかった。寂しかった。もっとメンバーと野球がしたかった。いろいろな思いが涙に変わって溢れ出た。
 
そのまま眠りにつき、夕方から食事会に参加。先輩にごちそうになり、長い1日が終わった。
 
次の日、高校球児だったハズが一夜で受験生に転身していた。
 
新チームとして練習をしている後輩達の声を聞きながら、教室で夏期講座を受け、来るべき大学受験に備える日々が続いた。
 
つづく
 

 
 

 
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